雨龍ではなく虹龍

今日のニュースで

『正倉院宝物の「虹龍(こうりゅう)」という動物の素材を使った宝物がどの生物か特定できた』

というニュースを見ました。

正倉院(しょうそういん)と言えば、定期テストや実力テスト、模試等で必須の単語です。校倉造(あぜくらづくり)とペアで覚えたりしますよね。修学旅行等で行かれた人もいるかと思います。

私が気になったのはどの生物か特定できたことではなく、虹龍のエピソードでした。記録では室町幕府6代将軍義教が宝庫を開けたときに虹龍(この時は竜日干と記されていて、江戸時代に虹龍と記され直した)を見てその際に雨が降ったという記録があるそうです。

またもう少し前の3代将軍義満の時にも、宝庫を開けると雨が降ったという伝承があるそうです。

そして数百年が過ぎ、今回の調査の日も大雨が降り調査が一度延期になったそうです。たまたまかもしれませんが、非常にロマンを感じます。あと、ネーミングのセンスがいいですよね。私なら「雨龍」と名付けてしまいそうです…。雨の後にかかるきれいな虹を見て江戸時代の人が「虹龍だ!」名付けたんですかね。

ちなみに、虹龍の正体はコウベモグラや二ホンテンなど何種類かの動物のミイラだったようです。ご存じの方もいると思いますが、虹龍はテンではないか?というのは戦後の調査で考えられていて、今までテレビ番組等でも「龍のミイラ、実はテンのミイラ?」と紹介されていました。今回の放射性炭素年代測定調査で11世紀頃から12世紀頃に生存していたテンのメスであることもわかったそうです。となると義満の時代よりさらに数百年前になります。「龍」として贈られたものなのか、侵入したテンが自然にミイラ化したのかは不明とのことです。これにもロマンを感じながら、夜に来る歴史好きな生徒用のプリントを作ろうと思います。